コウカナ?と思ったことを書いてみる。

「そんなに語りたきゃ自分のブログでやれ!」「…ハイ、そうします/_;」ネット掲示板で読んだあれこれにコウカナ?と思った事を日々投稿してます。このブログはその覚え書きです。

自分が「赤毛のアン」の登場人物だったら

誰になるだろうか?

少女の頃何度も読んだけれどここ10年ほどは読み返していないので、うろ覚えの記憶だけで書きます。
詳しい方からはご批判もあるかと思います。
私の中の思い出の「赤毛のアン」の感想みたいなものだと思っていただければ……。


赤毛のアン」の登場人物はみな個性的だ。
才気煥発で風変わりなアン、そんなアンを受け入れてくれるマシュウ、厳しくて愛情表現に不器用なマリラ、お節介だが親切で頼れるレイチェル・リンド夫人。ダイアナは育ちが良く、ジェーンは生真面目な優等生、華やかで享楽的で悲しいルビイ・ギリス。真摯で優秀なギルバート。

出番は少ないけれど、気になる登場人物がいる。アンに関する何かを偶然目にするたびに思い出しては悲しいような苛立たしいような気持ちになる。

その人物はチャーリー・スローン。
微妙な気持ちになるのは、彼と私は似たものどうしだとわかってきたからだ。

チャーリー・スローンに与えられた個性は「平凡、間抜け」。悪気はないけど気が利かない退屈なやつ。
善良で、だがそれだけ。どこまでもスローン一族でしかない、とアンに痛烈に評される。

少女のころ、私もアンと同化してスローン一族はつまらないと思っていた。でも、だんだん気がついてしまった。
私もまたスローンの一族だったと。しかもあまり善良ではない。

アンの目を通して、作者モンゴメリは登場人物たちを愛おしんでいる。享楽的なルビー・ギリスについても、若くして病を得てなお今を楽しむ、それしかできない切羽詰まった生き方を決して冷たく描いてはいない。

でも、チャーリー・スローンはどうでもいい人ポジションというか、軽く扱ってもいいキャラというか、「世の中の平凡でつまらない人たちの象徴」なんだなあ。
「平凡だけど愛しい」ではなくて。

小学生の頃は、自分が出来る子だと思っていた。幼児の全能感が強かったのだと思う。
中学でクラスから浮いてると自覚し、高校受験で自分が頭良くないと知った。
就職して社会常識がないのが露呈し、結婚して家事もうまくできないのだとわかった。
自分はこんなにも色々な事が苦手だとは知らなかったが、どうやら何処にいても気が利かなくてとんちんかんなのだと悟った。
努力をやめたわけではないが、少しずつそんな自分であることを受け入れて来た。
少なくとも私は、チャーリー・スローンを笑えるような能力はないと認めよう。

ネットで私のような人は他者を苛立たせ、軽蔑され、親身にはされないことが多いというのも覚えた。
多分、チャーリー・スローンもそういうやつなんだと思う。

彼が自分自身をどう思っているかは描かれていない。のほほんとしているのか自己嫌悪しているのか、足掻いているのか諦めているのか……
わからないけれど、私は勝手に「チャーリー・スローンも結構ツラいのでは」と思う。

だから私は彼に言おう、「お互いつまんない人間だけどさ、まあなんとか日々過ごしていこうや」と。

……ていうか、チャーリー・スローンの方が人に迷惑をかけない度は高そうだ。私エラソーに仲間認定しちゃだめかもな。